こんにちはLearning FacilitatorのMAIです。
私はFeldenkrais method とNLP(神経言語プログラミング)という二つの学習システムを学び、教えることを仕事にしています。他にもヨガ講師や、ダンサーとしてのバッググラウンドを生かした活動もしています。
そして私自身、2児の母です。3歳半と1歳半という2歳差幼児と日々戦っています。
生まれたての時は手足も自由に動かせなかったのに、首がすわり、おすわりができるようになり、ずり這い、ハイハイ、つかまり立ち・・・・どんどん動けるようになる様を見るのは親として嬉しいですよね^ ^
今回はFeldenkrais Practitionerとして声を大にしてお伝えしたいトピックです。まだ歩かない赤ちゃんがいる方、そしてもうすでに歩いているお子さんをお持ちの方もぜひ読んでみてください。
ハイハイ神話は本当?
『ハイハイが良い』というのは誰しもどこかで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
答えはYESです。
ハイハイは最高です。ずり這いもくまさん歩きも、尻ばいもすわりばいも同様に発達上とても重要な時期です。
その理由を簡単に説明するとこうです。
ハイハイなど床での移動は四肢(手足)が床についている以上、背骨を自由自在に動かさないと自由に動けない。それを通して無数の背骨の動きのパターンを習得することができる。基本、全ての動き、歩く、走る、ボール投げ、ボール蹴り、ダンス全ての動きで背骨と四肢の連携が必須。背骨を制すものは体を制すのです。
と、いうことで、巷で聞く『ハイハイが長かった子ほど運動神経が良い』これも統計として立証されているかは不明ですが、発達から見たら大いに可能性はあります。
これから歩く月齢の子にできること・・
子供は立つことが好きです。まだ腰も座っていない3ヶ月ほどでも反射で足で床を感知して「立つ」ように足をつっぱることがあり、それを喜んで大人が立たせるようなことをしますが、それは反射です。子供が喜ぶのは目線が高くなるからです。
目線が高くなるのはそれはそれは子供にとって楽しいものです。だって、普段見えないいろんなものが見えるから。ですが、それを大人の力でさせないほうが良いでしょう。
首の座らない子は縦抱きよりも横抱きを
まだ首の座らない月齢の子もできるだけ縦抱きは控え(授乳後のゲップなどはもちろんOK )横抱きをオススメしています。それは「首を起こしたい=世界をまっすぐ見たい!」という欲求を出させるためでもあります。縦抱きでそれを経験させていたら、赤ちゃんはその心地よさにとにかく縦抱きを要求します。うつ伏せが嫌いな1〜3ヶ月の子の多くは縦抱きで味をしめてしまっています。
自力で首を起こすことこそ、世界をまっすぐ見るための第一歩なのです。
便利な育児グッズも発達の妨げになることも
歩行器、ジャンバルー、手押し車の使用は控えてください。・・というか使わないでいただきたい。必要ありません!(断言)
歩行器やジャンバルーのように『ぶら下がる』や『寄りかかる』という行為は『立つ』という行為から物理的に別物です。立つためには重力に逆らい、自分の体重の分床を垂直に押す、という行為です。ぶら下がりやよりかかりを練習したところで発達を促しません。
これらのものを赤ちゃんが好むのも前述した目線が高くなる、そして、自由に動ける、という感覚からです。実際、歩行器で床を蹴り滑るように部屋を動き回ることは楽しいでしょう。でも、その動きは子供の発達の順序の中で立つ前に必要ではないと考えます。
ハイハイ、ずり這い、なんでもいいけど動きたい欲求を見つけよう
ずり這いはするけどハイハイはしない、ハイハイはしないけど座りばいはする。なんでも大丈夫!床に近ければ(立って歩く以外)なら良いと思ってください。
腰がすわり一人座りができてからは「動きたい!」という欲求を起こしてあげましょう。例えば少し離れたところに音のなるおもちゃで興味を引く。ボールを転がしたり、移動するおもちゃを使う。
この6ヶ月前後の月齢だと、ついこの間まで生まれたて、という感覚なので安全な環境を・・と思い動ける範囲を狭めたり、クッション性のある床の上だけで遊ばせたりしてしまいがちです。大丈夫!子供は座ったところから転んでも頭から行くことはありません。体を丸めてゴローンと転がりますので頭をひどく打ち付けることはありません。もちろん安全は考慮しつつもなるべく動ける範囲を広く作ってあげることも発達を促すことに繋がります。
歩きたい欲求は本人から出るまで待ちましょう
自力で立ち上がり、歩き始める時はいつか訪れます。つかまり立ちから一人歩きまで時間を要する場合もあります。大人から見るとつかまり立ちをしている=もうすぐ歩ける!と思い、手を繋いで歩く練習をしがちですが、やめてください。
うちの下の子は立ち上がってからの一歩が結構かかりました。一歩ってすごく簡単に感じるけれど、一歩を踏み出す=一瞬でも片足立ちになる、ということです。それは二本足で立つことを覚えたての赤ちゃんにとってとっても大きいこと。片足に体重を移動させながら頭の思い赤ちゃんはバランスをとるのも大変です。大人が思うよりも立ち上がり、歩く、という行為はとても複雑である、と考え自分で歩き出すその時まで発達をじっくり待ってみてください。
もうすでに歩いている場合にできること・・
ハイハイをあまりしなかった子も、たくさんした子も、今からでもできることはあります。
床で遊ばせてください。食事やお絵かきはテーブルでも良いですが、パズルやブロック、積み木など床でできるものは床で遊ばせる。そうすることでハイハイと同じような背骨の動きの学習につながります。
ハイハイは良いことだらけ・・でも執着はいらない
ここまででハイハイの良さはお分りいただけたと思いますが、もし、万が一しなくても無理にさせる、ということはしないでくださいね。
ハイハイに限らず全ての発達において、環境づくりというサポートはしても、教えたり、させる、ということはすべきではありません。
無理に四つ這いにさせてみたり、手を前に出させたり、このような指導は行わないでください。それならハイハイを見せてあげたり、四つ這いからゴローンと横に転がる遊びをしたり、お芋〜♪とゴロゴロ床の上で転がしてみたり。あまり神経質にならず取り組んでください。
歩くのが早い≠良いこと
これは歩くに限らず、話すことやいろんなことに関して言えます。歩くことがゴールではないのです。歩くことで走れるようになり、ジャンプ、泳ぐ、スポーツ、ダンス・・・その後さまざまな動きへの通過点でしかありません。
早く歩いた=運動神経が良い!と思われる人もいるかもしれませんが、もうおわかりですよね。実は真逆です。子供の内股の多くは早い月齢で歩き始めたことによるものが多いのが現状です。床での学びは立ち上がってからでは難しいのです。床にいる時間が長ければ長いほど学びは深い、と見守ってください。
親として安易に歩くのを急かしたりしないよう、子供一人一人が成長のステップを飛ばさず着実に前へ進めるよう環境をサポートしてあげてください。
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2 thoughts on “何でハイハイは良いの?”